「正しさ」についてのある思い出/熊髭b
人の前に出ると
自分自身を省みて、
自分自身が恥ずかしくなる。
自信がないことと謙虚ということは違う。
自分を他者に対して謙ることを謙虚というのならば
自信のないこととは、
他者以前の問題として、「定義」に対する認識の疑問を常に伴う。
(本来そこにこそ他者性の問題が隠されている)
しかしその隙間からこぼれおちる言葉を丁寧に紡いでゆく。
すなわち詩の第一義はここに立ち現れる。
なぜ、自分はこんなにも明確に言葉を投げかけられるのか。
いつから言葉の輪郭に対する決定権を
全能の神のように自己決定するようになってしまったのか。
恩師、哲学者の原章二先生は、
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