蛙声/ブライアン
 

 なんということだろう。意味を求めすぎた若き大学生は、あらゆる諸感覚を無視して、目に見えるように図表化することに躍起になっていた。結果、蛙と蛙の声を愚かにも分裂させた。悲しみの声と、尤もらしい意味をつけて。
 蛙=蛙声であることを拒否し、蛙>蛙声と。

 紀元前から人は神に憧れを抱き、都市建設を始めたという。人は天に融合することを拒み、天の代替として地上に君臨しようとした。
 突き刺す風を防いだり、すべてを解体する闇を人工の光で切り裂いたりし、人は都市を築いた。高いビル。空飛ぶ乗り物。高速移動。
 人は大地の束縛から逃げ、むしろ支配しようとした。天と同等に。いやさらに上にと。それら
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