蛙声/ブライアン
いかと思ったりもする。それは「詩」を説明する行為としての話なのだが。それらの行為が、宙で分裂する「蛙声」のようである。求めても、美しさの意味に手が届かない。
分裂する蛙の声。蛙の声とは蛙そのものだったのではないか、と考えるようになったのは、最近のことだ。「詩」という言語表現を行う中で中也が「声」に注視したのは、別段不思議なことではない。むしろ不気味なほど自然な考えだ。
蛙声は蛙であった。
宙で分裂したのは蛙であった。
闇に融合したのは蛙であった。
「声」だけを頼りに考えると、蛙は宙で分解せざるを得ない。求めても、求めても届かぬ願い。天に拒否され続ける蛙の声は、悲痛の叫び
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