祈れ/水在らあらあ
えばいい
此処は人の住まない神の家だ
それでも俺は今夜は此処に泊まりたい
そう思ってんだ
そう思ってんだろ なあ
右手で
前の椅子の背を掴む
握り締めると
俺の手から暖かさが流れて
肌色に変わってゆく
ただ
暖かさを
あげたかった
雪原のように白いおまえの肌に
春風が 吹き荒れるまで
?.
悪事を 後悔を知らない 小さな手を合わせて祈っている
ひざまずいて
真夜中のキッチン 冷蔵庫の 隣
俺はその目の前に立って
じっと 目を閉じて すべてを感じている
海岸沿いの山道を一日歩いていた膝が
笑う
十字
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