太陽を盗んだ男/虹村 凌
「この目くらい」
ユウコは目をじっと覗き込んで
ぷっと吹き出してお腹を抱えて笑った
「きっと太陽な綺麗なのね」
「本当の太陽は暴力的だよ」
「いつも血だらけのシンみたいに?」
そういってユウコはまた笑った
このユウコの笑顔の為なら
いつも血だらけだっていいと思えた
きっと今頃地球の裏側では 太陽が無くなって大騒ぎしてるだろう
この傷はパトリオットミサイルにやられたんだぜ
そう言うとユウコは
手で銃の形を作って
ばきゅん
と撃った
いつもみたいに撃たれて死んだフリをした
でもユウコの笑い声が聞こえない
目を開けるとユウコが倒れていた
ユウコの父親に殴られ
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