太陽を盗んだ男/虹村 凌
て気を失いかけた
「ねぇシン 月が見えないの」
ユウコは悲しそうに言った
「私 太陽が見られない体質だから せめてお月さまが見たいの」
ユウコは窓を開けて深呼吸した
「今夜は新月なんだよ」
ユウコの後ろ姿を見つめながら言った
「あなたが来る夜はいつも新月なのね」
ユウコはこっちを向いてクスクス笑った
「ねぇシン 太陽の話をして」
ユウコは隣に座ってねだった
「太陽はどのくらい眩しいの?」
「まともに目を開けてみられないくらい」
「キラキラしてて眩しいの?」
「ギラギラしてて眩しいんだ」
「ギラギラしてるの?」
「ギラギラしてるんだ」
「どのくらい?」
「
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