僕が詩を書く理由/ツ
用途不明の物体...。
そうして彼ら(野菜屑たち)は、ゼロになり切ることのないままに、またどこかへと消えていってしまう。まるで最初からそこに存在しなかったもの(こと)のように。波にさらわれてはきれいに均されしまう、砂の落書きみたいに...。
すべての「消えゆくもの」は、哀しい。
授業中に考えたくだらない妄想も、冷蔵庫の奥で干からびてゆく野菜屑たちや、飲みさしのボルヴィックも、哀しい。小学校の頃に親に買って貰って、引越しの時にあっさり捨ててしまったバッタもんの仮面ライダーも、吐き気を催すほどアオ臭くて甘酸っぱい失恋の痛みも、死んでしまったインコも、風呂場の石鹸も、川に流した白線も.....
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