王女メリサ5/atsuchan69
 
ほら、そこに椅子とテーブルもある」
 手にしたランプを窓辺に吊るし、アスフィールがとぼけた調子で言いました。「寝台は屋根裏にあります。あと薪が外に・・・・」
 そのとき、
「なにか感じる・・・・なつかしい記憶・・・・呪い・・・・」
 とメリサが呟くさまをアスフィールは見ました。
「どう、されました?」
「いえ、大丈夫です。でもすこし・・・・」
「お疲れになったのでは。どうかすぐお休みになって下さい」
「ありがとうアスフィール」
 沼のほとりから見ると灯かりのもれた窓辺にメリサの影がほんのしばらく映りました。
 そこに黒い外套を着たメリサの母がいました。
「ああメリサ!」
 
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