王女メリサ5/atsuchan69
す」
「王女様、いつもお優しくしていただきましてありがとうございます。このご恩はけしてわすれません」
「わたしのほうこそ。サリー、たくさんの思い出をありがとう」
メリサは指輪を外しました。「これを・・・・他になにも出来なくてごめんなさい」
暗い森のなかの一本道をゆき、いつしか不気味な気配があらわれてはただよう闇のなかで馬車は停まりました。
「ここからは歩いてゆきます。おふたりともお幸せに」
「キャビンの灯かりをお持ちくだされ」
「ありがとう。爺」
侍女が小窓から顔をだすと、ただ小さくなってゆくランプの灯かりだけが見えました。しばらく見えていた灯かりもやがて ほんの小さな点とな
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