王女メリサ5/atsuchan69
 
した。廊下にはふざけあう給仕がいてメリサを見ても素知らぬふりでした。
「泣かないんだってよ、酷い女さ」
「妃とどっちがワルかな?」
 立ち去りぎわにメリサはそんな声まで耳にしました。すぐ後からパンを上着の両のポケットにいっぱい詰めたアスフィールがメリサを追って走ってきます。
「王女、お待ちを」
「ああ。ごめんなさいアスフィール」
 メリサはうんざりした顔を両手で隠しました。
「森へゆきましょう。永く人の住まない朽ちかけた小屋があるのを知っています」
「連れていってください。もうどこへでも」



 やがて城をでてゆく馬車を、ランプを手にした門兵が止めました。
「いっ
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