王女メリサ5/atsuchan69
 
わ」と言って口を押さえました。「お願い、だから来ないで!」
「わたくし行きます。お止めになられても」
 メリサはそこへ行こうとしましたが、母はそのときすでに沼に身を沈めようとしていました。
「聴きなさいメリサ。わたしたちは呪われた者の血をひく魔女です。けして幸福をのぞむことはできません。いえ、そればかりか、わたしたち魔女は人を不幸にするために生きているの。そのことが判る? メリサ、あなたにはもう判るはずよ」
「わかりませんわ」
「あなたは、妃のことをまだ知らないのですね」
「・・・・はい」
 すると母は、首を締めつけられてもがくように、「あれは、姿をかえたわたしの母へレンです!」

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