王女メリサ5/atsuchan69
。きっとそうでしょう」
ふたりは魔法で姿をかえると、こんどは二匹の猫になってお城へ帰りました。
城ではすでに夕食がはじまっていましたが、やや遅れて入ってきたメリサには眼もくれず妃はしみじみと泣きながら不平をこぼしました。
「ではあなたはこのわたしよりもお国の妃の方が大切だと仰るのですね」
「泣かないでくれ。そうではない。しかし帰らねば民にすまない」
上座にはタルシンの国王がいました。
「よいではありませんか! もはやあなたさまはタルシンの国王ではなく、やがて全地の王となるべきお方」
メリサは座りかけて軽い咳払いをすると、
「失礼いたします」
そう言ってまた出てゆきました
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