時間は無情に/山崎 風雅
 
刃物のようであり
 あるときは自分にさえ向けられた
 混沌としたなかで時間だけが無情に過ぎていった

 
 出会いがあり別れがあった
 衝突があり息投合があった


 冴えない毎日
 鏡に映る姿もやはり冴えない


 心から笑えなくなっていった
 涙も乾いていった
 友達も表面だけだった
 淋しかった
 心細かった
 時間だけは無情に過ぎていった

 大人を憎んだ
 その分だけ私は子供のままだった
 そのことにさえ気付かず
 月日は流れて
 私も流れて

 モノクロームの青春
 楽しいことなんてなかった
 世界の広さなんて関係なかった
 信
[次のページ]
戻る   Point(3)