時間は無情に/山崎 風雅
刃物のようであり
あるときは自分にさえ向けられた
混沌としたなかで時間だけが無情に過ぎていった
出会いがあり別れがあった
衝突があり息投合があった
冴えない毎日
鏡に映る姿もやはり冴えない
心から笑えなくなっていった
涙も乾いていった
友達も表面だけだった
淋しかった
心細かった
時間だけは無情に過ぎていった
大人を憎んだ
その分だけ私は子供のままだった
そのことにさえ気付かず
月日は流れて
私も流れて
モノクロームの青春
楽しいことなんてなかった
世界の広さなんて関係なかった
信
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