自由をめぐる空想/ワタナベ
んな主人がなんとなくうらやましかった
「こんにちは きれいな夕日ですねぇ」
と声をかけたら
「おお 兄ちゃんか でっけぇ夕日だなぁ」
といつもの調子でかえしてきたので
二人ならんでふわふわしながら
地上で見るよりずっと近い夕日をうっとりとながめていた
3
夜はたまに夜景を見にゆく
しずかにしずかに夜空をただよう
星空が近い
まぁこのなんともいえない恍惚とした気分は
空を飛べる人ならだれにでもわかることだから
想像におまかせするとしよう
でも
空を飛べない人はこんなすばらしい気分を味わえないのだから
かわいそうだな
なんてちょっとおもったりもす
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