死後に関する幽霊の考察/野火 後里
 
校に芸能人がやってきたりすればいいとか思っていたはずだ。そんなこと、健全な高校生が考えることでしょう、とわたしは思うのでありますが。もう確認する術もないけど。
 でも死後にして思えば、それは高校を脱出した先に自由になる体があったからなんだな。廃墟と化した教室を目にして呆然としあえるクラスメイトもいたからだ。誰の目にも、それこそ自分の目にも留まらない存在となってしまった現在、わたしを「わたし」と認識し留めているものは、この流れるような思考と思い出のみだ。じゃーじゃー垂れ流さないと消えてしまいそうでこうして呟き続けてるけど、同時に存在が漏れ出ているんじゃないかという恐怖に苛まれる。
 幽霊というに
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