王女メリサ4/atsuchan69
スですが、どうかお城では外されますように。王が不快に思われます」
さて、
「目当てはこの食事でした」
詩人はひどく腹をすかせており、つぎつぎにはこばれる料理をむさぼるように食べながらつづけました。「しかし王女。貴女も夢の国でお育ちになられたとは。つゆとも存じませんでした」
「はい。生まれたのち三ヶ年のあいだ暮らしましたのよ」
メリサは詩人の食べるさまをやや離れた席から見守り、「ああ。永遠のバラの咲く庭と夢の広場、虹色にかがやくクリスタルの門と無数の蝶たちがとびかうお花畑の屋根・・・・」まるで夢見るように話しました。
「そこで育つ子らは皆やがて音楽や詩をつくる者となって出てゆく
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