王女メリサ4/atsuchan69
 
しこにモナカイの爽やかな青の軍旗がはためいていました。



「突撃は、よわき者たちへの愛。さあ、一刻もはやく楽にしてあげよう。永遠にキミを眠らせてあげる。そしてこのボクも、どうか眠らせておくれ・・・・ああ! 兵士の休息は、死のみ」
 ひどくヘンテコな詩を、一風変わった身なりの男が詠(よ)みました。男はひろげた羊革の巻物を手に、城門の入り口にある詰め所のまえに立って自作の詩を吟じはじめたのです。
「不謹慎な。このたわけものめ!」
 間もなく番兵にとりおさえられましたが、メリサはその様子をちょうど今しも城へもどる馬車のなかから目撃しました。
「きっとここをやられているのでしょう
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