挙動不審者/hon
を増していた。同時に、その輝きは小さく丸く収まっていて、何かの照明のように思われた。それは実のところ廊下の照明だった。
いつしか歩いているのは、うすぐらい警察の廊下で、私はそこの職員であった。
電話がどこかで鳴りっぱなしになっていて、職員である私は急いで受話器を取ったつもりが、鳩の死骸を手にしていた。鳩のぱっくり割れた胸の傷口から大きな目玉がこちらを見つめていて、その目玉は窓枠なのだと分かった。
そこから外をのぞくと、日傘をさした母が遠くで揺れていた。
ガラスが割れるような目覚まし時計の音で、私は目を覚ました。
あまり疲れが取れていなくて、頭が重かった。それから、ゆうべ
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