王女メリサ3/atsuchan69
 
サが受けとると、つぎにエスターも箱を手にしました。
「ああ。わたくしのような者にまで・・・・」
 謎めいた笑みのある涼しげな顔でエスターは言いました。
「王女、箱を開けてみてはいかがかな? ――エスターもどうぞ」
「わあ!」
「すてき!」
 小箱の中身はプラチナの台にのった煌めくピンクトルマリンの指輪でした。
 そしてエスターの小箱にも同じ石のネックレス。暗い部屋のなかでそれはひと際つよく輝きました。
「お気にいりましたかな?」まだふたりが礼も済まさぬうちに王さまは立ちあがり、「すこしばかり余の話を聴いていただきたい」
 そう言いました。
「どうぞお話ください」
 ただエスタ
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