王女メリサ3/atsuchan69
スターは何も言いませんでした。
「御存知かとは思うが」王さまは両手をうしろに組み、そこで少し歩きだしました。「余と妃のあいだには世継ぎの者がおらぬ」
「王さま。わたくし、お邪魔では?」
エスターが言いました。
「いや構わん」ランプの灯かりから遠のき、王さまは続けました。「王女、余のおこなう政(まつりごと)をいかに思われる?」
影のように、暗闇にまぎれ王さまは立ちどまりました。
「・・・・」
あえて賢明なメリサはなにも答えません。
すると、
「ふふ」やや笑い、「是非このことを知っていただきたい。余のおこなっていることは未来のための架け橋にすぎぬ」王さまは背中をむけました。「
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