王女メリサ3/atsuchan69
の履く靴下の穴でも塞いであげようと思ってね」
「かあちゃん、俺、うそなんかついていない。ちょっと下へ降りてきてよ」
「ああ、そうかい。そろそろ食事にしないとね。粗末な夕食だけどデザートにレモンの香りのパンプディングをこしらえたよ」
しばらくの後、台所へやって来た母は「えっ」と叫びました。「なんだい。父ちゃんしかいないよ、こんなことするのは! わたしたちをびっくりさせようとしてさ」
ピンクの花瓶は、テーブルにクリスマス・ローズの花を残してもうありません。花瓶は、姿をかえたメリサ王女だったのです。
メリサは城へもどると、見わたすばかり豪華な料理のずらりと並ぶテーブ
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