王女メリサ3/atsuchan69
ま摘んできたばかりの姿で飾られています。
ところどころ継ぎのあたった服を着た子が、父親のところへ来てこう言いました、
「父ちゃんかい? 七面鳥買ってきたのは」
「さて七面鳥。昔は毎年クリスマスにはきまって食べたものだが、今ではこの通りごらんのありさまだ。夢を見たならすまない。不甲斐ない父さんを許しておくれ」
父親はそういうとまた家具の修理をはじめました。
それで今度は二階へゆくと、ほのかなランプのあかりを頼りに母が縫いものをしていました。
「テーブルに七面鳥が載ってるよ」
「いいよ、母ちゃんのために嘘までついて喜ばせなくても。なんにもプレゼントは出来ないけどさ、せめておまえの履
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