王女メリサ3/atsuchan69
たが、息子はきょとんとした顔の夫人のうしろにまっわて顔をのぞかせ、泣きべそをかきながらこう言いました、
「父さん、あんまりだ。なんだって僕たちをこんな惨い目にあわすの?」
すると市長は急にけわしい顔になり消えた馬車の方にむかってこう叫びました、
「馬車はどうした? なぜわしらはここにいる?」
メリサとエスターは一部始終をすべて見届けた後、とりのこされた三人のまえを、くすくすと笑いながら通りすぎました。
クリスマスの夜、とある家のテーブルに七面鳥の丸焼きが皿に盛られ置かれてありました。その横にはピンクの花瓶が置かれ、可憐で質素なクリスマス・ローズの花が、たったいま摘
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