王女メリサ3/atsuchan69
 
わるなよ」
「眠ってるんだ、唯一のたのしみを邪魔しないでくれ!」
 そこで市長は少年たちのすぐそばまでやって来て言いました。
「安心しなさい。わたしはこの町の市長だ。たった今ここを通りすぎたが、君たちを見てひどく不憫に思った。どうしても何かしてあげなくてはおれない気持ちになったのだ」
 やがて市長は五人ほど男の子をつれてきて息子と夫人に言いました、
「わしらは歩いて家に帰るのだ。さあ、降りたおりた」また手綱をとる従者にむかってこう言いました。「家に着いたらこの子たちを特別な客として迎えるよう執事に伝えるのだ。くれぐれも丁重にもてなせとな」
 そして馬車は命ぜられるままに走りゆきましたが
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