王女メリサ3/atsuchan69
ておかなくちゃいけない・・・・」
急にエスターは真顔になってしゃがむと、メリサの両の手をとって握りました。「注意なさい。きっと妃は魔女です」
そう言いました。
メリサはもう子どもではありませんでした。ええ。もう子どもでは・・・・
やがてあどけなく可憐な日々がとおく過ぎました。
軍服を着た王さまはいつになく上機嫌で立っています。明るい日ざしと春の匂いがそこにありました。
妃とともに気品にみちた王女が部屋にあらわれると、それまでうしろ手にくんでいた腕をはずし、いくぶん貫禄をつけてみせるかのように髭に手をあてました。部屋じゅうに軍服を着た王さまの絵が飾られていま
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