王女メリサ3/atsuchan69
いました。王さまは一枚の白馬にまたがった自分自身の肖像画を見上げ、そのあと眼を横にずらして客間にとおされた妃と王女がふたりならんで席に就くのを見とどけました。
「さて」と、きりだして手をポンと打ちました。「麗しい! 王女、今日はなんとお美しいことか」
妃もにこやかに王女を見ました。
「お褒めいただきましてありがとうございます」
あくまで王女のしぐさでメリサは応えました。
王さまは真紅のマントをひるがえし、
「うん」と、いちど大きく顔を頷かせました。「じつは王女・・・・」そう言って腕をまたうしろ手にすると、しばらく考え込んだようになり、やがて王女の向かいの席に腰をおろし話(はなし)
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)