王女メリサ3/atsuchan69
はエスターにしがみつきました。
「もうメリサは子どもじゃないわ」
エスターはメリサの栗色の髪をなぜながら、その瞳に夕焼けを映しました。「わたしの力は夢。でも本当は見てはいけない夢もあるのよ。そして夢はどこまでも夢なの。夢はけしてひとりで見るものではないわ」
「きっと王さも悪い夢をごらんになっている」
しがみついたまま離れようともせずメリサはそう言いました。
「ええ。だからあなたがいるの。そのことがわかる? メリサ」
メリサは甘えた声で、
「わからない・・・・そんなのわからないわよ」
ちいさな額をエスターのからだに押しあてて言いました。
「それからあなたにひとつだけ言ってお
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