王女メリサ3/atsuchan69
 
子たちにパンとチーズ、そして温かいシチューをたべさせてあげたいの」
「ええ。誰もメリサをとめたりはしませんよ」
 するとそこへ市長の家族をのせた馬車がやって来たのです。キャビンのなかには着飾った服を着たうつくしい夫人と息子、そして市長が向かいあわせに座っていました。息子はにやにや笑いながら、窓から道端に寝ころぶ少年たちを見て言いました、
「アハハ。とうさん、あれ見てよ。ひどいよ、汚くてとても見ていられないや」
「まったくだ」
 と市長はこたえ、「しかし孤児院はどこもいっぱいで、やつらをこの町から追いだすしか方法がないのだ。ところが追いだしても、追いだしても、またやって来る。まるでイタチご
[次のページ]
戻る   Point(3)