An Imitation-機械仕掛-/AKiHiCo
たぶん僕はずっと幻を見ていたんだ
他人同士が仲良く集まって
微笑んで喋っているその内側で
交錯する真の思いを見抜けずに
見えない糸で操られた世界
そう僕はマリオネット
幻の水を含んで潤うは
創り上げられた悲しみの城
妄想と現実の境界線が
いつの間にか曖昧で
そこに居る僕は誰なのかと
遠くで微笑んでるのは確かに
僕なのだけれど、
笑っているのか泣いているのか
嗚咽が漏れるのはどうして、
全部偽りだって今更
気付いたとでも言うの、
最初から幻だと判って踏み入れた筈なのに
いつから判らなくなったの、
この悲鳴は誰にも
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