王女メリサ2/atsuchan69
や著名人、また国王の親族また隣国の王と妃があつまっていました。エスターとメリサは両側にわかれた華やかな人の列をとてもかろやかにすすんでゆきました。皆が「おかえりメリサ」と声をかけました。王と妃がそのあとにつづいて挨拶をかわしながら歩いてまいります。そのとき、そのときです! 王様がとつぜん倒れました。妃はすぐさましゃがみ、崩れる王のからだを支えました。右の首筋にたったいま刺したばかりの毒針があります。妃は、つぎにおおぜいの人のたちならぶ広間に吹き矢をもった道化師がはしるさまをみて指差しました。
音楽家たちの伴奏が止まりました。
「取り押さえなさい! あの道化の者です」
すぐにも警護の者たち
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