王女メリサ2/atsuchan69
にした帽子とドレスをまとっていました。
「王様万歳!」
とだれかが叫びました。
「王様と妃ばんざい! メリサ万歳!」その言葉がいくども幾度も、何百何千と飛びかうなか、エスターとメリサはやがて玄関の階段のまえにきて立ちどまりました。するとふりむき、しばらくのあいだ軽い笑みをこぼして歓迎に応えました。まもなく背後で連打する小太鼓のひびきがつづき、そのあとラッパの音を耳にのこして玄関に王様と妃が出迎えにあらわれました。威厳と親しみをもって王家の家族らが一堂にあつまり国民たちのよろこびの声に応えるのでした。
入室にあわせ、「愛のよろこび」と題された曲のながれはじめた城の中では国じゅうの貴族や著
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)