王女メリサ2/atsuchan69
あがりました。侍従は顔をしかめ、
「大臣、なぜそのことを先に言わんのだ!」
大声で怒鳴りました。手をあわせ、王様だけがひとりじっと堪えるように座っていましたが、やがて力なく皆にきこえぬほどちいさな声で、
「あす、メリサが帰ってくる・・・・」
とつぶやきました。
王様は妃のそばにすわり、
「そのような訳だ」
と話しました。
「王様」妃はつとめて笑みをうかべ、こう言いました。「ヘレンの魔法の力は憎しみです。でもその力は・・・・それ以上の憎しみに勝つことはできません。わたくし、その力をしっていますの」
「なんだと。ぜひおしえてくれ、その力の持ち主はどこに居る
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