王女メリサ2/atsuchan69
し呟くようにさらにつづけました、「増税と国有農地の拡大。そのくせ城の周囲の町には特権をあたえ、ご自分の支持者として飼いならそうとしておられる。・・・・反対者として処罰されるまえに不本意ではございますが出てゆくほかに道はないのです」
「どうかお気をつけて。お身をおかれる場所はございますの?」
メリサは大臣にたずねました。
「はい。幸いなことに隣国で百姓をしているものが親戚のうちにございまして」
「それはなによりです」
「お心遣いくださりありがとうございます」
また舟あそびのときにもある若い大臣が艪(ろ)をこぎながら、
「こうして王女様と御一緒できるのも今日が最後で
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