王女メリサ2/atsuchan69
 
王不在のここ数年のうち隣国はそびえたつばかりに栄え、我が王国は根底より国体をくずされ瀕死の状態にあるではないか。変えねばならない! 何をか? すべてである! そこで余は今ここにあたらしい法律を宣言する」
 王さまはどよめく者たちをそしらぬ顔でみすごし、いかにも意地の悪そうな顔の書記官のとどけた巻物をひらきました。



 やがて幕つきの高い椅子に座るメリサのまえに立ち、
「そのようなわけで王女様、わたしもこの城を去りますがどうかお許しください」
 初老の大臣はふかぶかと頭を下げました。王女は眉をよせ、まるで少女とはおもえないとても聡明そうな顔でこれを見ました。大臣は身をおこし呟
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