王女メリサ2/atsuchan69
 
言ったつもりです」
「そもそも前の妃はまったくのそれじゃったからのう」
「ああ。妃はいまごろ何処に・・・・じつにお優しい方じゃった」
「しかし妃の出てゆかれたのと同時に、魔女ヘレンの怒りが消えたことも事実ではないか」
「・・・・」
 彼らはまた口をつぐみました。
 すると一瞬、馬のくつわがまぶしく光を返し、大勢のどよめきの声とともに銀色の馬車が見えはじめました。
「おいでになられたぞ」
「さてどの大臣がゴマを擂(す)るのか見ものですな」
 そこへメリサがあらわれて、一文字に揃ってならぶ大臣らのまえに立ちました。
「これは王女、今までいったいどちらに?」
 大臣のひとりが声をか
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