王女メリサ2/atsuchan69
 
かわりありませんでした。
 喪服の妃はお付きの人とともに朝はやく王女の間にはいりました。メリサはまだ寝着のまま、あけ放った窓を背後に立って侍女としたくをはじめています。黒い服のエスターがもうそこに来ておりました。
「くりかえし哀悼の意を表します」
「ありがとう、エスター」妃としての自分を感じながらも、いつか少女だったころの楽しかった日々を言葉ににじませ、「感謝します」
 たったそれだけでしたが、みじかく想いを告げました。
「お引受けいたします」
「善意をおうけします、エスター!」
 とりみだすようにエスターをだきよせ、「メリサをお願いね」妃はそっと耳元でささやきました。
「・・・・
[次のページ]
戻る   Point(3)