スペシャルディズ/山崎 風雅
 
 すべてが無に帰ろうと一方通行している
 俺は震えて世界の端にぶら下がっている
 
 いつか見た
 そして凍えた思い出は
 風に乗って北から流れてくる
 自分であり続けることの難しさを
 教えてくれる北風は俺のレンズに霧を落とす

 すんなりと言えない
 考えなくてはいけないことは温暖化
 しかし俺には傘がない
 雨が降れば泣くしかない
 ありふれた退屈は煙になって空に消えていく

 平凡でありたい
 皆から愛されたい
 そんな無謀な妄想は俺を檻に閉じ込めるから
 独りの時をかみしめて
 愛しき昔の恋人の旅路に幸あれと祈るばかり

 幼き頃は世界は恐怖のジ
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