影2/yoshi
なった
髪の綺麗な子で
笑うと右頬にだけえくぼが出来た
僕は彼女に気持ちを伝えようと
来る日も来る日も作戦を練った
あの工場の裏手の空き地で
毎日毎日作戦を練った
目の前に落ちている影が
長く伸びる頃
やっと腰を上げ家に帰る
そんな日々を送っていたある日の事だ
僕はいつものようにいつもの通学路を
いつものスピードで自転車をこいでいた
前方に同級生らしき女の集団が見えた
時おり聞こえてくる会話の中に
彼女の名前がちらちら出てきている
僕は女達の話に耳をそばだてた
断片的に聞こえてくるその話の内容に
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