王女メリサ/atsuchan69
窓をのぞき、
「困ったことになった」
「これからこの国はどうなるのでしょうか?」
ひどく心配な顔で話しました。
ああ、闇に一瞬ぱっとうかぶ吹きすさぶ景色。大地と空をつなぐのは、両者を睨みあわせる悪意のしるしとでもいうべき稲妻でした。
「しかし娘を魔女にやるわけにはいかん。それだけは断じて」
「ですが王様、魔女との約束はたしかにありましたよ」
そこで王様はうつむくと咳払いをしました。
「う、おっほん。そのように約束した覚えも確かにあるにはある。しかし・・・・けして 本心からでた言葉ではない」
「王様。あなたは魔女ヘレンから、ひとり娘である妃をうばったのではないのですか?」
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