王女メリサ/atsuchan69
 
お生まれになったばかりの王女が寝ています。
「女の子です。どうかお喜び下さいますように」
「王よ、これも神の御業です」
 王妃は生まれたばかりの子をやさしく見つめて言いました。
 そこへ侍従があらわれ王に耳打ちしました。
「王妃のお母様です」
「そうか」王様はすこし困った顔をし、「こちらへお連れしろ」そう言ってすぐ、「いや、待て。その前にふたりだけでお話したいことがある」
 と、言い直しました。
「その手はクイマセンよ」
 すると魔女がすでにもうそこに立っているではありませんか。
「ああ、お母様・・・・」
「約束だよ、男の子だったら王家の世継ぎに・・・・女の子だったらアタシに
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