王女メリサ/atsuchan69
シに・・・・それもたった今すぐ。忘れたのかい? それとも魔女の血を絶やそうってわけじゃないだろうねえ? お前が嫁ぐときの条件はたったひとつだけだった筈! さっ、連れてゆくよ」
「お母様! それはあまりにも・・・・」
魔女はむりやり子供をさらってゆこうと皺だらけの手を伸ばしましたが、赤ちゃんはとつぜん泣き始め、すると「ぱっ」と消えてしまいました。一瞬のことなので魔女は目をパチパチさせてしばらく立ちすくんでいましたが、やがてベッドに眼をうつし純白の絹のシーツの上に二匹のカエルのいるのを見てやっと事のしだいに気がつきました。
「計ったね!」
ふり向くと王様はそしらぬ顔で立っていました。
「
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)