王女メリサ/atsuchan69
でほざくんじゃないよ! 言うとおりにしないとカエルにするよ!」
ひどく怒鳴ってそう言い、魔女は窓をピシャと閉めました。
さて、お城は森をすぎてしばらくの湖のそばにそびえ湖面に映る月とともにその影をすばらしい美と威厳をもって投じています。
間もなく魔女の乗った二頭立ての馬車が城門のまえにとまり、
「城の者! 魔女ヘレンさまのお着きだ!」
従者がさけぶように言い放ちました。
「よし。お通ししろ」
門兵に侍従のひとりが命じました。
さて城のなかでは王妃の部屋に医者と国王がならんで立っていました。
ベッドには苦しみをすぎた穏やかな顔の王妃とそのとなりにお生
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