絵描きを夢見て、詩人を目指した/雨露 流
 
に投影する行為。ありったけの語彙で、その絵画を表現することにしたのだ。

この絵画は――。この曲線が――。これはあれを――。まるで――。この画家の精神は――。

そんな事しかできない私は悔しかった。いや、それでも大きな喜びを感じているのだが。
優れた絵画を眺めていると、時間を忘れて見つめてしまう。
語彙を超えた情報量。圧倒的かつ、一方的な思いを受け取る瞬間、それは何事にも変えがたい喜びなのだ。


そうこうしているうちに絵画を鑑賞している時だけでなく、普段の何気ない情景や出来事から“連想していく”ことを始めたのだ。
自分自身の感情の変化や内面、思考、思想、それらを含んだ“文字列
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