ニカラグア競争男/カンチェルスキス
茶にミルクを入れること
ぐらいはできる、おれを振り返るおっさんの鼻の下の)(を90度傾けた模様を
見つめた、ああ、なんて)(なんだ。
「追い越せるわけねえよ、おまえには。オレには津のかほりって演歌歌手がいるんだ。じきに、有線で顔を出すだろうよ」
沖からたゆたってきたわかめが波打際に打ち上げられるのと同じくらいの
スピードで、ようやくおれはもうすでにならず者に見えてきたおっさんと
肩を並べた。おれとおっさんとの間のタワーレコード。
「なあ、おっさん、あんた今どこだ?」
「言ってんじゃねえか、津だよ」
「おれは自分ではもう、べつのところに行ってるような気がするよ」
「何?もうマ
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