遺書の花弁/はじめ
なんて思ったんだっけ? あぁ、大切な人が死んでしまったからだ
「自殺するなんてバカのすることじゃない?」と僕は君に問い掛ける
「自殺できないなんて臆病者の証拠じゃない?」と君は僕に問い掛ける
僕は黙り込む 視線は宙の一点を見つめている 太陽が沈みかけている
「なんでオレが臆病者なんなんだよ?」
「臆病者だから臆病者なのよ」
「自殺するほど…」
「私が大切じゃあないってわけ? 大切じゃないから自殺できないのね?」
「自殺したからって君にまた逢えるわけじゃないだろ?」
「…」
「オレだって死にたかったよ。でも死んだからって別にどうなるわけじゃないだろ。オレは決め
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