神聖なる詩/はじめ
付くと小夜になっている 僕は頭を起こし 10枚の詩を書き上げていることに気づく それらを目視して満足げに頷く
翌早朝 新聞配達の為に家を出る 昨日は日曜日だった為に夕刊は休みだった
正確に新聞を入れ 汗を飛ばして自転車を漕ぐ
空気は冷たく 空はすっきりと白んでいる
帰り道 コンビニで100円パンを買い 家路に着く
午前10時になると昨日と同じ場所でまた ビニールシートを広げ詩を並べて大声で客を呼ぶ
通りすがりの人達にはケラケラと笑われている
そんなことは気にせず詩を売り続ける
大声を出したって詩は売れない 僕は粗忽で売れない詩人さ
とぼとぼと俯き加減で電車に
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)