パセリと手紙のある浮き島/hon
 
がオーソドックスに該当するものを含んでいたとか。ぼくは手にしていたレトルト食品を棚に戻した。彼はぼくにとっては単に『配膳人』であり、親しく会話を交わしたことは一度もない。あるいは、他人には計りしれない彼の内的な考えがある結論に到達して、それが「オーソドックス」という一語に結実するものだったのだろうか。するとそこにはぼくの存在なんか、介入する余地などまったくない。アルキメデスの「エウレカ」みたいなものだったのだろうか。彼はそれから一切口をきかなかったので、「オーソドックス」の意味するところはぼくには全く分からなかった。それはそうと最近はとみに『配給所』の品揃えが薄くなってきてる気がする。不安の種はつ
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