パセリと手紙のある浮き島/hon
 


 考えてみると、おかしいのはパセリだった。ぼくの意見では、パセリというのは食卓においては彩りの装飾であって、たとえばサンドイッチやハンバーグなんかのちょっとした添え物にすぎない。メインディッシュたる食材もないのに、飾り物であるパセリばかりが残されているというのは? それこそ確かな現状にちがいないけれど、たとえば『浮き島』に対応させて客観的に捉えてみるとどうなのか。そんな考えを検討しながら歩いていると、『駅』についた。ヤシの木で仕切られた広場を反対側にまわりこんで、灰色の古めかしい建物に入ると、そこは『配給所』であり、水色のシャツを着た『配膳人』が店先で品揃えを確認していた。
「おはよう
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