パセリと手紙のある浮き島/hon
い理由はなかったようだ。自由がどうこういっていたようだけど、どうも先行きのあてもなく勢いだけというか。まったく、ある意味で美しい人間だったかもしれないが、たいがい世間と折り合いがつかない人物であった。ぱっと見、そんな風でもなさそうなんだけれど。
ぼくは持って帰った袋の中からミネラルウォーターのペットボトルを出して、ぱさついて飲み下せないパセリの口に残った苦い後味を流し込んだ。やっぱりパセリなんか飾るもんであって、食うもんじゃない。だけどディーディーが声をあげて笑うとき、そこに自由な感じはあった……と、すごく久しぶりに思い出している。どういうのが彼の笑いのツボだったかよく分からないのだが、いつも
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