パセリと手紙のある浮き島/hon
 
現できないおかしみがあった。あるとき彼は、きみはつまらない、とぼくに面と向かっていうのだった。きみよりも××君の方が面白いよ。それでぼくはムッとする。だって、ぼくにとってはその××君はまったくイヤ味ないけすかない野郎なのだ。そんなこと面と向かって報告しなくても良いだろう。彼は流行りのものにはいつでもひととおり瞬間的な興味を示したが、何であれさしたる拘泥もなさそうだった。
 季節は冬だったと記憶しているけれど、ディーディーは部署の上司にむかって、自分はあなたのやり方が気に入らないとはっきり言いきってしまった。それから辞表を提出してしまった。後でそのことについて彼と話をしたが、とりたてて理由らしい理
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